ひもろぎ庵: 2011年10月アーカイブ

 

アンドルー・ワイル(Andrew Weil、1942年6月8日 - )はアメリカ合衆国の健康医学研究者、医学博士、臨床医、アリゾナ大学医学部教授。中国医学などの伝統医学も取り入れ、人間に本来備わっている自然治癒力を引き出すヘルスケア・システムである統合医療を提唱しています。

著書'Spontaneous Healing'(邦訳『癒す心、治る力』)や'8 Weeks to Optimum Health'(邦訳『 アンドルー・ワイル博士の医食同源』)は米国でベストセラーとなりました。


アンドルー ワイル博士はホリスティック医学の提唱者にして、先駆的実践者でもあるパイオニア的存在です。

1990年に出版されたNatural Health,Natural Medicine(邦訳『 ナチュラル メディスン』上野圭一訳 春秋社刊)から放射線被曝に関する彼の見解を引用してみたいと思います。


「電子が軌道から叩き出すほどの力をもつ電離放射線はDNAを損傷し、突然変異を起こしてがんの原因になりうる。X線・放射線・核エネルギーなどはこの電離放射線で、すべて危険なものである。医師や政府関係者は放射線の危険についての認識が遅れている。彼らは放射線の安全性を強調するが、事実は非常に危険なものだ。」

放射能に関する21年前のアメリカの状況は現在の日本と似たようなものだったようです。


「電離放射線は分裂しつつある細胞にたいして選択的に損傷をあたえる。細胞分裂がもっとも活発に起こる組織は皮膚と、臓器の表面や(たとえば腸のような)中空器官の内壁、内分泌器官の導管などを形成する、上皮組織である。表面と内壁はつねに内外の環境からくるストレスの猛攻に耐えているので、常時、組織の再生をしなければならない。細胞が分裂するときは、遺伝情報をコピーするために、らせん状になっていたDNAがほどけた状態になっている。DNAはほどけて伸びた状態になっているときに、もっとも傷つきやすい。放射線ばかりでなく、変異化学物質や細胞分裂の過程で起こる何らかの異変よっても傷がつく。ほとんどのタイプのがんが上皮細胞から生じるのは不思議ではないのだ。上皮細胞以外で細胞分裂が盛んなのは造血組織と免疫系、とくに骨髄だ。それらもまた非常にがんになりやすい部分である。」

上記の内容をもとに、今回の福島第一原発事故による放射能汚染について考察するなら、呼吸器や消化器、泌尿器の上皮細胞がガン化しやすいということになります。

たとえば、肺ガン、胃ガン、肝臓ガン、大腸ガン、腎臓ガン、などが起こりやすいと考えられます。また、骨髄のガンつまり骨髄性白血病に罹患する人が増える可能性も高いことがわかります。

現在環境汚染が伝えられている核種のうち、セシウム137は肺・肝臓・腎臓・骨・筋肉・生殖腺に、ヨウ素131は甲状腺に、プルトニウム239は肝臓・肺・骨・生殖腺に、アメリシウム241は肝臓・骨に、ストロンチウム90は骨に、それぞれ沈着しやすいことが知られています。

これらの核種の悪影響がしかるべき年月を経てガンという明確な形をとって私たちの眼前に姿を現すわけです。


「放射線はこのように、二段がまえで脅威をもたらす。細胞に悪性の変異を起こしてがんを発生させる一方、免疫系を損傷させて、がんにたいするからだの防衛力を弱めるのだ。しかしながら、両方とも、その影響があらわれるまでには長い時間がかかる。がんの原因としての放射線にたいする人々の認識が遅れ、その危険を軽視する人が多い理由のひとつは、原因が結果となってあらわれるまでに長い年月がかかるということがあげられるのである。」

私たち人類には、悪影響が明確な形をとって現れるまでに時間がかかるものに対する想像力が欠如しているのかもしれません。

今回の被曝によって子供たちにガンが現れるのは5年後以降で、大人は10年後以降だと言われています。

そもそも原爆投下から始まった日本人と放射能の付き合いは66年に及び、この間地球上で行われたたくさんの核実験やスリーマイル島とチェルノブイリの原発事故や、狭い国土に林立した54基もの原子炉が排出した、大量の放射性物質の影響が現在のガン大国日本を作り上げたと言っても過言ではないでしょう。

事実、チェルノブイリ原発事故の11年後に当たる1997年からの3年間は青森県・岩手県・秋田県・山形県・茨城県・新潟県の乳ガン死者数が突出して上昇したという統計があります。(内部被曝の脅威・肥田舜太郎/鎌仲ひとみ著)

国内の原発から排出される放射性物質は大気と海を汚染し、呼吸と海産物の摂取によって体内に取り込まれてきました。

また食糧の半分以上を輸入に頼る日本は、海外の核実験や原発事故によって汚染された食糧を、ずさんなチェックで通関し食べて続けてきました。
(スリーマイル島原発事故後に輸入されたハーシーのチョコレートは高濃度に汚染されていたそうです。)
海の食物連鎖によって汚染物質が生物濃縮された海産物、特に遠洋で捕れるマグロなどを日本人は好んで食べてきましたが、これは最も美味して最も危険な食べ物のひとつです。

海の食物連鎖の頂点にいるクジラやイルカは水銀などの重金属や放射性物質を高濃度に濃縮して持っていますので、健康のために食べるのをやめた方が良いでしょう。そうすればクジラやイルカに特別な価値を置いて日本人を非難している差別主義者たちとの軋轢を避けることもできて一石二鳥だと思います。

1964年以来、中国新疆ウイグル自治区のロプノール湖は核実験場として使われ、1996年までに核実験を45回実施し46発の核爆弾を爆発させてきましたが、そのうち1980年までに行なわれた核実験は、地下核実験ではなく地上で爆発させたのです。ロプノールでの核実験は、総爆発出力20メガトン、広島の原爆の約1,250発分に相当するそうです。被害の凄まじさは想像を絶しますが、中国政府は一切の情報開示を拒んでいます。
毎年中国から飛来する黄砂は、単なる砂ではなく異常な公害物質と放射性物質を含んでいることが判明しています。

中国野菜の農薬汚染は恐ろしいですが、それに放射能汚染も加わっているとすれば危険性は倍化します。

このように、フクシマ以前から私たちは知らされぬままにかなりの内部被曝にさらされてきたことが想像できます。

だからこんなにガン発症率やガン死亡率が高いのです。

ちょっと考えればわかることです。

この世界で健康な生涯をおくりたければ、政府や医師やマスメディアの言うことを鵜呑みにせずに自分で確かめることです。

真実は誰も教えてくれません。

 

下山田吉成

放射能汚染時代を生き抜く・自然療法による「放射能・セルフデトックスセミナー」
の総合ガイダンスを下記の日程で追加開催します。
総合ガイダンス 各回3000円

毎回内容は同じです。

◎10月18日10~13:15
◎10月18日18:30~21:45
◎10月31日10~13:15
◎10月31日18:30~21:45

お誘いあわせの上ご参加ください。

放射線被曝対策に役立つバイタルティッシュソルトをシリーズでご紹介していますが、回を重ねるごとに必要な生命組織塩(バイタルティッシュソルト)の種類数は増える一方で、最終的には補足成分を入れて合計14種類になる予定です。

読者の方からは「全部飲んだ方が良いのですか?」「必要な10種類のコンビネーションを作って下さい」というようなメールをいただいています。

バイタルティッシュソルト(生命組織塩)のコンビネーションに関しては多くても4種類まで、できるだけ3種類以内におさめることが効果の面で重要であることが経験的にわかっています。

生命組織塩は混合する種類数が多くなるほど効果が少なくなってゆきますので、放射線被曝対策に有効性が認められる14種類の候補があるとしても、その中からお一人お一人に必要な生命組織塩(バイタルティッシュソルト)を3種類以内で選んで使用することをおすすめします。

適切な選択をするためには、少なくともバイオケミカル療法の基本原則を知らなければなりません。

下記2冊の書籍はバイオケミカル療法を独習する上で役に立つことでしょう。


◎生命組織塩でバランスをとる

ザビーネ・ヴァッカー著
ホメオパシー出版
2100円+税


◎顔診断
ペーター・エムリヒ著
ホメオパシー出版
2900円+税


これらの書籍を熟読した上で実践に踏み出せば、バイオケミカル療法をセルフケアで使いこなすためのスタートラインに立つことができるはずです。

ただし、上記2冊の内容には補足成分の詳しい説明は含まれていません。

放射線被曝対策に必要な14種類の生命組織塩のうち6種類は補足成分ですが、それらについて日本語で読める適切な刊行物は今のところ存在しません。

もし、本を読んでもわからない方や独学が困難な方がいらっしゃいましたら、ひもろぎ庵が定期的に開講しているバイオケミカル療法セルフケアコース(ベーシック&アドバンス)がお役に立てると思います。
アドバンスでは補足成分についてもレクチャーいたします。

詳しくは下記ホームページをご覧下さい。

http://www.himorogian.jp/seminar/baio_self2011.3.htm


個々の体質や体調にふさわしいバイタルティッシュソルトを選択するための近道として、フルセッションやミニセッション、健康相談などのメニューをご用意していますので必要に応じてご利用下さい。
http://www.himorogian.jp/iyashi/index.htm

 

下山田吉成

亜鉛(Zincum)は必須ミネラルのひとつで、毛髪・皮膚・眼球・前立腺・筋肉・肝臓・腎臓などに高い濃度で存在します。

特に精液の亜鉛濃度が高いことはよく知られています。

人体には1.4g~2.3gの亜鉛があり、そのうちの約20%は皮膚に存在します。

亜鉛は生体中の遷移元素としては、鉄の次に多く存在します。

亜鉛は細胞内ミネラルであると同時に細胞外ミネラルでもあります。

亜鉛は体内における重要な2種類のタンパク質にとって重要な働きをしており、ひとつは酵素の必須成分で、もうひとつはDNA構成成分としての転写因子です。

適量を摂取すればリンパ球やT細胞(胸腺)の機能を高めることによって免疫系が強化され、放射線暴露や環境ホルモンなどの有害化学物質から体を守る重要な働きをしていることがわかっています。
また放射能や環境ホルモンなどの有害化学物質の作用により傷つけられたDNAを修復する酵素の活性には亜鉛と葉酸が大切な役割を果たしています。

亜鉛は生体内で加齢と共に減少する金属元素(亜鉛・鉄・銅・マグネシウムetc)の筆頭で、20代では組織1gあたり約20μgですが、70代になると約0.02μgと約千分の1にまで減少してしまいます。

亜鉛は魚介類・カキ貝・ハマグリ・肉などの動物性食品に豊富に含まれていますが、福島第一原発事故以来これらは海洋汚染や食物連鎖によって放射性物質が濃縮されているので摂取による内部被曝のリスクは非常に高いと考えられます。
食べる場合は産地や測定値をよく吟味して選択しましょう。

一方、亜鉛は植物性食品中心の食生活では欠乏しやすいので、菜食主義者やセミ・ベジタリアンは豆類(大豆・エンドウ豆・ササゲ・ヒヨコ豆など)やゴマや全粒穀物(玄米や雑穀・全粒小麦粉など)を意識的に食べる必要があります。

ただし亜鉛は適量の範囲が狭いので、サプリメントなどで摂取過剰になると免疫を抑制するという副作用がありますので注意が必要です。

亜鉛には発育促進、各種ホルモンや300種類に及ぶ酵素の構成、性機能の発育補助、核酸やタンパク質の構成、免疫細胞の活性化、細胞レベルでの新陳代謝の維持、皮膚の傷の修復や潰瘍の治癒促進(コラーゲンの合成)、味蕾の機能保持、抗酸化作用、抗繊維化作用、活性酸素を抑制する酵素の活性化......などのさまざまな働きがあります。

亜鉛が不足すると酵素の働きが鈍くなり、精子数の不足、男女の生殖機能低下、不妊、発育不全、味覚障害、嗅覚障害、胸腺の萎縮、免疫力低下、脱毛、創傷の回復遅延、前立腺肥大、動脈硬化、高血圧、胎児や乳児の発育不全などの症状が引き起こされます。

低ポテンシーのZincumは食物からの亜鉛の体内吸収と同化を促し、過剰摂取による副作用を防止し、必要最小限の亜鉛による健全な生命の営みを可能にします。

ひもろぎ庵ではZincum12xをおすすめしています。

 

下山田吉成

1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故によって世界中にまき散らされた大量の放射性物質は、風に乗ってまず1000Kmほど離れたスウェーデン上空へ流れていきました。
その時に運悪く雨が降っていた地域では、濃厚な放射性物質が土壌を汚染することになったのです。

スウェーデンの一部の地域では農地や牧草、家畜の飼料が放射能に汚染されました。何も対策を施さなければ、それを食べた家畜の肉や牛乳が汚染され、それがそのまま店頭に並ぶ恐れがありました。迅速な対応が求められましたが、当時は原発事故による農業汚染への対策が不十分で、関係者や専門家も戸惑い、時として相反するアドバイスがなされるなどの混乱もあったそうです。

スウェーデン政府(放射線防護庁と食品庁)は一般の食料品の放射能汚染の上限を300ベクレル/kgと定めたのに対し、乳業業界はそれよりもはるかに厳しい30ベクレル/kgという自主基準値を設けていました。


スウェーデン政府が講じた対策の中で、クレイを家畜に食べさせることで放射性物質の体内除染に非常に大きな成果を上げた記録が残っています。


チェルノブイリ事故後にスウェーデンが取った汚染対策(その1)

http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/4eb0113672b0e2a129f632e0b58b2493

出典:スウェーデンの防衛研究所・農務庁・食品庁・放射線防護庁・農業大学が共同で発表している『放射性物質が落下した場合の食品生産について』(Livsmedelsproduktionen vid nedfall av radioaktiva amnen )より

当局は家畜の飼料にセシウムを吸着する添加物(ベントナイト )を加え(体重1kgあたり0.5~2g)、胃腸からセシウムが家畜の体内に取り込まれないようにするなどのアドバイスを行いました。


【ベントナイトとは】

ベントナイトとは海底や湖底に堆積した太古の火山灰や溶岩が、長い年月をかけて変容して出来た粘土鉱物の一種です。

「ベントナイト」という名称は、岩石名(鉱物集合体の総称)であり、その構成成分は産地によって異なります。

ベントナイトはモンモリオナイト(珪酸塩鉱物)を主成分とし、他に石英や雲母、長石、ゼオライト等の鉱物を含んでいますが、モンモリオナイトの持つ特異的な物性がそのままベントナイトの物性となっています。

ベントナイトの物性としては膨潤性・増粘性・粘結性・吸水性・吸着性・懸濁安定性・陽イオン交換性・チクソトロピー性などが挙げられます。

◎Na型とCa型の違い

Na型: 特に膨潤性・増粘性・懸濁安定性に優れている。


Ca型: 特に粘結性に優れている。


※ひもろぎ庵が推奨している国産モンモリオナイトはNa型です。


ベントナイトは熱的安定性に優れており、常温での性能の劣化はありません。分子構造的には約400℃までは安定的だと言われています。


スウェーデンで行われた実験では、羊の飼料(干草)にはベントナイトを10%含有させ、豚や鶏の飼料(穀類)にはベントナイトを5%含有させて与えた場合に、肉や卵に含まれるセシウムの量がどれだけ変化するかを調べています。

羊では86%、豚では65%減るのに対し、鶏では減少率が低くなっています。

また、ここには示されていませんが、乳牛であればベントナイトを飼料に加えることによって、牛乳に含まれるセシウムの量が最大80%減少したそうです。

 

<屠殺に先駆けて汚染のない飼料に切り替える>

40日間飼育して屠殺した鶏の胸肉に含まれるセシウムの量を比較した場合

Ⅰ:放射性セシウムに汚染された飼料(セシウムの量は400ベクレル/kg 以下同様)に、ベントナイト粘土を添加(5%)して飼育中ずっと与えた。

⇒約105ベクレル/kg


Ⅱ:放射性セシウムに汚染された飼料に、ベントナイト粘土を添加せずに、飼育中ずっと与えた。

⇒約155ベクレル/kg

Ⅲ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の5日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約95ベクレル/kg


Ⅳ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の10日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約60ベクレル/kg


Ⅴ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の15日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約30ベクレル/kg


Ⅵ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の20日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約15ベクレル/kg

 

これらの結果からクレイ(ベントナイト≒モンモリオナイト)の家畜に対する体内除染効果は非常に顕著であることがわかります。

家畜と同じ哺乳類あるいは脊椎動物である人類にも、同様の効果があると考えてよいでしょう。

私たちが食べる野菜や穀物は土から養分を吸収して成長します。

家畜はそれらを餌にして成長します。

海産物は国土から海に流れ込む栄養分や、それらを餌にする微生物や植物や海洋生物などを食べて成長します。

つまり私たちの肉体を構成する栄養分(食物)の源は国土(お土)にあり、私たちの肉体は国土(お土)によってできていると言っても過言ではありません。

内服用のクレイ(ベントナイト≒モンモリオナイト)は国産が望ましいのはそのような理由からです。

「身土不二」の本当の意味は、自らが生きている国土を畏敬と感謝をもって食することによって癒され、生かされることにあるのだと私は理解しています。

 

下山田吉成