亜鉛の効用(最新情報9)

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亜鉛(Zincum)は必須ミネラルのひとつで、毛髪・皮膚・眼球・前立腺・筋肉・肝臓・腎臓などに高い濃度で存在します。

特に精液の亜鉛濃度が高いことはよく知られています。

人体には1.4g~2.3gの亜鉛があり、そのうちの約20%は皮膚に存在します。

亜鉛は生体中の遷移元素としては、鉄の次に多く存在します。

亜鉛は細胞内ミネラルであると同時に細胞外ミネラルでもあります。

亜鉛は体内における重要な2種類のタンパク質にとって重要な働きをしており、ひとつは酵素の必須成分で、もうひとつはDNA構成成分としての転写因子です。

適量を摂取すればリンパ球やT細胞(胸腺)の機能を高めることによって免疫系が強化され、放射線暴露や環境ホルモンなどの有害化学物質から体を守る重要な働きをしていることがわかっています。
また放射能や環境ホルモンなどの有害化学物質の作用により傷つけられたDNAを修復する酵素の活性には亜鉛と葉酸が大切な役割を果たしています。

亜鉛は生体内で加齢と共に減少する金属元素(亜鉛・鉄・銅・マグネシウムetc)の筆頭で、20代では組織1gあたり約20μgですが、70代になると約0.02μgと約千分の1にまで減少してしまいます。

亜鉛は魚介類・カキ貝・ハマグリ・肉などの動物性食品に豊富に含まれていますが、福島第一原発事故以来これらは海洋汚染や食物連鎖によって放射性物質が濃縮されているので摂取による内部被曝のリスクは非常に高いと考えられます。
食べる場合は産地や測定値をよく吟味して選択しましょう。

一方、亜鉛は植物性食品中心の食生活では欠乏しやすいので、菜食主義者やセミ・ベジタリアンは豆類(大豆・エンドウ豆・ササゲ・ヒヨコ豆など)やゴマや全粒穀物(玄米や雑穀・全粒小麦粉など)を意識的に食べる必要があります。

ただし亜鉛は適量の範囲が狭いので、サプリメントなどで摂取過剰になると免疫を抑制するという副作用がありますので注意が必要です。

亜鉛には発育促進、各種ホルモンや300種類に及ぶ酵素の構成、性機能の発育補助、核酸やタンパク質の構成、免疫細胞の活性化、細胞レベルでの新陳代謝の維持、皮膚の傷の修復や潰瘍の治癒促進(コラーゲンの合成)、味蕾の機能保持、抗酸化作用、抗繊維化作用、活性酸素を抑制する酵素の活性化......などのさまざまな働きがあります。

亜鉛が不足すると酵素の働きが鈍くなり、精子数の不足、男女の生殖機能低下、不妊、発育不全、味覚障害、嗅覚障害、胸腺の萎縮、免疫力低下、脱毛、創傷の回復遅延、前立腺肥大、動脈硬化、高血圧、胎児や乳児の発育不全などの症状が引き起こされます。

低ポテンシーのZincumは食物からの亜鉛の体内吸収と同化を促し、過剰摂取による副作用を防止し、必要最小限の亜鉛による健全な生命の営みを可能にします。

ひもろぎ庵ではZincum12xをおすすめしています。

 

下山田吉成