クレイの服用による内部被曝除染効果(最新情報8)

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1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故によって世界中にまき散らされた大量の放射性物質は、風に乗ってまず1000Kmほど離れたスウェーデン上空へ流れていきました。
その時に運悪く雨が降っていた地域では、濃厚な放射性物質が土壌を汚染することになったのです。

スウェーデンの一部の地域では農地や牧草、家畜の飼料が放射能に汚染されました。何も対策を施さなければ、それを食べた家畜の肉や牛乳が汚染され、それがそのまま店頭に並ぶ恐れがありました。迅速な対応が求められましたが、当時は原発事故による農業汚染への対策が不十分で、関係者や専門家も戸惑い、時として相反するアドバイスがなされるなどの混乱もあったそうです。

スウェーデン政府(放射線防護庁と食品庁)は一般の食料品の放射能汚染の上限を300ベクレル/kgと定めたのに対し、乳業業界はそれよりもはるかに厳しい30ベクレル/kgという自主基準値を設けていました。


スウェーデン政府が講じた対策の中で、クレイを家畜に食べさせることで放射性物質の体内除染に非常に大きな成果を上げた記録が残っています。


チェルノブイリ事故後にスウェーデンが取った汚染対策(その1)

http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/4eb0113672b0e2a129f632e0b58b2493

出典:スウェーデンの防衛研究所・農務庁・食品庁・放射線防護庁・農業大学が共同で発表している『放射性物質が落下した場合の食品生産について』(Livsmedelsproduktionen vid nedfall av radioaktiva amnen )より

当局は家畜の飼料にセシウムを吸着する添加物(ベントナイト )を加え(体重1kgあたり0.5~2g)、胃腸からセシウムが家畜の体内に取り込まれないようにするなどのアドバイスを行いました。


【ベントナイトとは】

ベントナイトとは海底や湖底に堆積した太古の火山灰や溶岩が、長い年月をかけて変容して出来た粘土鉱物の一種です。

「ベントナイト」という名称は、岩石名(鉱物集合体の総称)であり、その構成成分は産地によって異なります。

ベントナイトはモンモリオナイト(珪酸塩鉱物)を主成分とし、他に石英や雲母、長石、ゼオライト等の鉱物を含んでいますが、モンモリオナイトの持つ特異的な物性がそのままベントナイトの物性となっています。

ベントナイトの物性としては膨潤性・増粘性・粘結性・吸水性・吸着性・懸濁安定性・陽イオン交換性・チクソトロピー性などが挙げられます。

◎Na型とCa型の違い

Na型: 特に膨潤性・増粘性・懸濁安定性に優れている。


Ca型: 特に粘結性に優れている。


※ひもろぎ庵が推奨している国産モンモリオナイトはNa型です。


ベントナイトは熱的安定性に優れており、常温での性能の劣化はありません。分子構造的には約400℃までは安定的だと言われています。


スウェーデンで行われた実験では、羊の飼料(干草)にはベントナイトを10%含有させ、豚や鶏の飼料(穀類)にはベントナイトを5%含有させて与えた場合に、肉や卵に含まれるセシウムの量がどれだけ変化するかを調べています。

羊では86%、豚では65%減るのに対し、鶏では減少率が低くなっています。

また、ここには示されていませんが、乳牛であればベントナイトを飼料に加えることによって、牛乳に含まれるセシウムの量が最大80%減少したそうです。

 

<屠殺に先駆けて汚染のない飼料に切り替える>

40日間飼育して屠殺した鶏の胸肉に含まれるセシウムの量を比較した場合

Ⅰ:放射性セシウムに汚染された飼料(セシウムの量は400ベクレル/kg 以下同様)に、ベントナイト粘土を添加(5%)して飼育中ずっと与えた。

⇒約105ベクレル/kg


Ⅱ:放射性セシウムに汚染された飼料に、ベントナイト粘土を添加せずに、飼育中ずっと与えた。

⇒約155ベクレル/kg

Ⅲ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の5日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約95ベクレル/kg


Ⅳ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の10日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約60ベクレル/kg


Ⅴ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の15日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約30ベクレル/kg


Ⅵ:飼育の最初のうちは汚染された飼料(ベントナイト粘土なし)を与えるものの、屠殺の20日前から汚染されていない飼料に切り替えた。

⇒約15ベクレル/kg

 

これらの結果からクレイ(ベントナイト≒モンモリオナイト)の家畜に対する体内除染効果は非常に顕著であることがわかります。

家畜と同じ哺乳類あるいは脊椎動物である人類にも、同様の効果があると考えてよいでしょう。

私たちが食べる野菜や穀物は土から養分を吸収して成長します。

家畜はそれらを餌にして成長します。

海産物は国土から海に流れ込む栄養分や、それらを餌にする微生物や植物や海洋生物などを食べて成長します。

つまり私たちの肉体を構成する栄養分(食物)の源は国土(お土)にあり、私たちの肉体は国土(お土)によってできていると言っても過言ではありません。

内服用のクレイ(ベントナイト≒モンモリオナイト)は国産が望ましいのはそのような理由からです。

「身土不二」の本当の意味は、自らが生きている国土を畏敬と感謝をもって食することによって癒され、生かされることにあるのだと私は理解しています。

 

下山田吉成