●ヨウ素剤の備蓄
日本では原子力発電所の事故を想定した危機管理の一環として、周辺住民の放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝予防対策としてヨウ素剤(安定ヨウ素剤=ヨード剤=ヨウ化カリウム剤=Kali-iod)が原発周辺の自治体によって主に保健所などに備蓄されています。
●原子力安全委員会の提言
福島第一原発事故の際は政府の安全デマを正当化するためにほとんど配布されませんでした。その失策に対する非難を受けて、原子力安全委員会の被ばく医療分科会は原発から半径30km圏内の住民にヨウ素剤を事前配布するよう求める提言案を示しました。
ヨウ素剤、家庭に事前配布を=原発5~30キロ圏「有効」
http://news.mobile.yahoo.co.jp/news/view/20120112-00000092-jij-soci.html
●放射性ヨウ素がもたらす病害
放射性ヨウ素が体内に取り込まれると主に甲状腺に選択的に集積され、内部被曝によって甲状腺ガンや甲状腺腫瘍、甲状腺機能低下症などの原因になることが知られています。
●ヨウ素剤の予防効果
放射性ヨウ素の内部被曝に対しては、ヨウ素剤を予防的に服用しておくことで放射性ヨウ素の甲状腺への集積を防ぐことができるため、甲状腺への放射線被ばくを低減する効果があることが報告されています。
甲状腺の働きが活発な若年層や、甲状腺の形成過程にある乳幼児など低年齢層ほど悪影響を受けやすいため、原発事故の際は「ただちに」ヨウ素剤を服用することが望まれます。
(放射性ヨウ素を体内に取り込んだ後にヨウ素剤を服用しても効果はほとんど期待できません。)
●ヨウ素剤の副作用
ただし、ヨウ素剤(安定ヨウ素剤=ヨウ化カリウム)の物質レベルでの摂取は、かゆみ、発疹、アナフィラキシーショックなどのアレルギー症状や、吐き気、嘔吐、胃痛、下痢、風邪症状、口腔の灼熱感、金属味覚、歯痛、歯肉痛、血便、首・咽頭の腫脹、原因不明の発熱、不規則性心拍、などの一般的副作用の他に、ヨウ素中毒(結膜炎、ジンマシン、甲状腺腫、粘液水腫、水疱、微熱、眼瞼浮腫、鼻炎、耳下腺腫脹、胃炎、発疹、喘息発作、面疱、せつ、気管支炎、声門浮腫、咽頭痛、前額痛、よだれ、唾液腺腫脹、体重減少、全身衰弱)やヨウ素悪疫質(皮膚の荒れ、体重減少、動悸、抑うつ、神経過敏、性欲減退、乳房腫大と疼痛、骨盤痛、全身衰弱)、などの副作用が起こる可能性が高いため、原発事故初期における短期間の適量摂取以外はお勧めできません。
●ヨウ素剤の新生児や妊婦への悪影響
新生児にヨウ素剤を大量服用あるいは長期連用させると、甲状腺機能低下症を発症することがあります。
また、妊婦にヨウ素剤を大量服用あるいは長期連用させると、胎盤を通して胎児の甲状腺にヨウ素が移行・集積することによって、胎児の甲状腺機能低下症を発症することがあります。
新生児及び妊娠後期の胎児における甲状腺機能低下症は一過性であっても、その後、「知能の発達」に影響を及ぼことがあるため、服用には細心の注意が必要です。
●ヨウ素剤の中長期連用は危険
昨年起きた福島第一原発事故のように長期的な経過をたどる放射性ヨウ素による汚染に対して、ヨウ素剤(安定ヨウ素剤)の予防的服用が中長期間に及ぶと、上記の副作用が発生するリスクが非常に高くなります。
もともとヨウ素を豊富に含む海草類をたくさん食べている日本人がヨウ素剤を飲む場合は、ヨウ素の過剰摂取にならないよう服用量や使用期間に注意を払う必要があります。
●ヨウ素剤への感受性の個人差は考慮されない
たとえ医学的に安全だとされる服用量でも、安定ヨウ素剤に対する感受性の個人差については考慮されていませんので、緊急時の処方という使用背景を考えれば、十把一絡げな対応にならざるを得ないし、副作用や薬害についても、「緊急時だった」「かかる事態について医師の経験が乏しかった」などの理由で十分な補償を受けられない可能性が高いです。仮に十分な補償を受けられたとしても、甲状腺機能低下症や知能発達遅滞などは一生問題を抱え続けなければならない不治の病であることを肝に銘じておく必要があります。
●バイタルティッシュソルトのKali-iod
バイタルティッシュソルト(生命組織塩)のヨウ化カリウム(Kali-iod ケイライヨード)は3X(1000倍希釈)、6X(百万倍希釈)、12X(1兆倍希釈)で用いるため、上記の副作用が起こることはなく、効果のみを受け取ることができます。
●Kali-iod(ヨウ化カリウム)について
http://himorogian.jp/tayori/2011/04/kaliiod.html
●海草摂取との相乗効果
上記リンク(Kali-iodについて前編)に詳しく説明してありますが、バイタルティッシュソルトのKali-iodは摂取した食物に含まれるヨウ化カリウムの体内吸収力を高めますので、海草などヨウ素を豊富に含む食品と併用することが最大の効果をもたらします。
●放射能汚染時代を生き抜くための常備レメディ
原発事故や核兵器の使用など万が一の事態に備えて、ティッシュソルトのKali-iod(ケイライヨード)を常備しておくことをお勧めします。
原発事故や核兵器使用時の初期には特に3Xの頻回服用が有効ですので、大きめの瓶でご用意しておくと良いでしょう。
●Kali-iodの適応症
Kali-iodは屋外で改善するアレルギー性鼻炎や花粉症、鼻づまり、鼻風邪、副鼻腔炎、水様性で緑色また黄緑色の鼻水、鼻血、喉の炎症、空咳、喘息、喘鳴、肺炎、発疹、痒み、小水疱、関節炎、関節リウマチ、リンパ腺や乳腺・甲状腺などの腺組織の腫脹・萎縮・膿瘍、頭痛、白髪の増加、動悸、耳鳴り、座骨神経痛、などの症状に有効です。
また、原発事故以降に上記の症状が悪化している場合は、放射性ヨウ素による被曝が原因である可能性があります。