放射能: 2012年3月アーカイブ

新刊案内:『スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか』-gooブログ
http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/36e1c31227f98eda3709b3d042d6ee66

(引用開始)
この報告書にまとめられているのは、まず、ブログに紹介したように実際の事故が起きた後の対策(農業・畜産業・トナカイ遊牧・酪農加工・食品加工)、そして、放射能に関する基礎知識、さらに、それ以上に強調されているのは、将来の事故に備えてどのような災害対策を整備しておき、実際に事故が起きたときには行政当局としてどのような側面を考慮に入れながら対策を講じていく必要があるか、という点である。
(引用終了)


この本の共訳者である佐藤吉宗氏の上記ブログ「スウェーデンの今」に昨年4月19日に掲載された記事「チェルノブイリ事故後にスウェーデンが取った汚染対策(その1)-gooブログ」
http://blog.goo.ne.jp/yoshi_swe/e/4eb0113672b0e2a129f632e0b58b2493
は、チェルノブイリ原発事故の際にスウェーデン政府が畜産分野でとった対策について、今回翻訳された本の一部を訳出して紹介したものです。

この中にベントナイト(クレイ)を飼料に混ぜて家畜に与えたことで、放射性物質の体内除去に大きな成果を上げたという記録が載っており、クレイによる人間の放射能デトックスに関して肯定的な可能性を示唆する貴重な情報でした。

この記事はブログ「ひもろぎ庵便り」の中でも取り上げています。
●クレイの服用による内部被曝除染効果(最新情報8) - ひもろぎ庵便り
http://himorogian.jp/tayori/2011/10/post-95.html#sixapart-standard


佐藤吉宗氏はスウェーデンに11年在住している生産性分析・産業組織論・社会保障制度などを専門とする研究者で、現在はヨーテボリ大学経済学部の博士課程に在籍しているそうです。

私は2月29日23時過ぎに、Inside the MeltdownというイギリスBBCが制作したフクシマ原発事故のドキュメンタリー番組を紹介する記事をブログ「アジアの片隅で、バカとさけぶ)」やFacebookに掲載したのですが、先ほど佐藤吉宗氏の「スウェーデンの今」を見たら、彼もほぼ同時刻にInside the Meltdownを紹介する記事をアップしていたので、不思議なシンクロニシティを感じました。

 

スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか
スウェーデン農業大学+防衛研究所+食品庁+農業庁+放射線安全庁【共同プロジェクト】
高見幸子+佐藤吉宗 共訳
ISBN:978-4-7726-1054-4

原乳に含まれるストロンチウムを1とすると

バター0.21
クリーム0.43
チーズ8.18

スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか
スウェーデン農業大学+防衛研究所+
食品庁+農業庁+放射線安全庁【共同プロジェクト】
高見幸子+佐藤吉宗共訳
ISBN:978-4-7726-1054-4
Cコード:C0036

セシウムのチーズへの移行率は5~10%と低いのですが、ストロンチウムはカルシウムに似た振る舞いをするせいか、セシウムとは逆の結果になるようです。

原子炉の中に存在していた多種類の放射性核種が、それぞれ異なった性質を持っていることを考えると、内部被曝に関して大丈夫と言える食べ物は存在しないと考えた方が良いでしょう。

乳製品については、生乳もヨーグルトもチーズもバターも、各々が個別の核種を高濃度に含有する可能性が示唆されているため、汚染された乳製品そのものを摂取しないようにすることが最大の内部被曝防御になります。

蛋白源として一般的な牛乳と卵は、食物連鎖によって放射性物質や農薬・薬物その他の環境ホルモンが濃縮されているため、よほど信頼できる良心的な生産者が出荷しているものでない限り摂取すべきではありません。

日本全土が不可逆的な放射能汚染に見まわれ、読者の皆さんの多くが東日本に在住している現実をベースに考えると、生半可な放射能対策ではこれから少なくとも数百年は続く放射能汚染時代を生き延びるのは困難だと言わざるをえません。

呼吸と飲食によって摂取する放射性物質をできるだけ少なく維持し、かつ毎日デトックス効果のある自然治癒力を活性化する養生法を習慣化することが天寿を全うし、子孫に遺伝子異常を残さないための必須条件です。

しかし最も効果的で意味のある放射能対策は、本来であれば避難区域に相当する東北地方と関東地方の汚染地域から汚染の少ない地域に移住することです。

妊婦・赤ちゃん・子供・少年少女・これから生殖を行い子孫を残す予定の男女などは移住することを強くおすすめします。これに勝る効果的対策は存在しません。

東日本に住んでいる限り、毎日高濃度に放射能汚染された空気と水と食べ物を体内に取り込み続けることになります。

「いや、私は気をつけているから大丈夫」という人がいるかもしれませんが、

お子さんは屋外では常にマスクを着けていますか?

マスクは隙間のないようにきちんと装着していますか?

お子さんは屋外で砂遊びや土遊びはしていませんか?

調理には浄水器を通した水を必ず使っていますか?

風呂やシャワーのお湯は必ず浄化してから使っていますか?

洗濯物や布団は屋内で乾燥させていますか?

安全性の高い食べ物を常に入手していますか?

野菜や穀物を調理する前に長時間水にさらしていますか?

食材は茹でてから煮汁を捨てていますか?

摂取している加工食品の安全性は確認できていますか?

外食をする場合、食材の安全性が確認されているお店を必ず選んでいますか?

お子さんに給食を与えずに弁当を持たせていますか?

お子さんは屋外の体育の授業で必ずマスクを装着していますか?

これらはチェックリストのほんの一部です。

おそらく半分以上の項目を大半の方が実行できていないと思います。

放射能によって自分や家族及び10数代先までの子孫の健康を損ないたくないのであれば、かなり神経症的な衛生法を実践し続けなければなりません。
内部被曝には「しきい値」がないので、ほんの僅かな放射性物質を体内に取り込んだだけでも、さまざまな疾患や健康障害が引き起こされる可能性が生じるからです。

疾病リスクは体内に取り込まれた放射性物質の量に比例して増大するため、放射能汚染の少ないエリアに移住することは防護対策の筆頭に挙げられる有効な選択肢です。

どうしても移住できない、移住したくない事情があって、かつ放射線被曝が心配な方は、正しい知識を前提とする強い覚悟をもって、継続性のある放射能対策を生涯続けていくことに活路を見いだして下さい。

 

僕と彼女と週末に
浜田省吾
http://www.youtube.com/watch?v=I-t-jl8garM

 

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