舌癒着症について

(質問)

先日、わたしの知り合いに赤ちゃんが生まれたのですが、舌癒着症と診断されて手術を受けたという話を聞きました。
手術後の赤ちゃんは見違えるように表情が豊かになって、劇的な変化だったとのこと。
実は知られていないだけで約9割の人が舌癒着症で、気付かず大人になってしまう人もたくさんいて、睡眠時無呼吸症候群をはじめ、冷え性、貧血、いくら寝ても眠い、疲れやすい、など、さまざまな不調の原因となっていることがあるそうです。

彼女は動物性食品や砂糖・化学添加物・化学調味料などを使わない自然食を熱心に実践していて、自然療法も積極的に生活に取り入れているナチュラル志向の方です。

それでも、生まれたばかりの赤ちゃんに手術を受けさせるということ、そしてそれに対して完全に肯定的であるということが個人的にかなりショックでした。
舌癒着症という病気(?)に対するひとつの選択肢として手術があるというのは決して否定するつもりはありません。
しかしわたしは、生まれもった身体に対して簡単にメスを入れてしまうということにどうしても違和感を感じてしまいます。
それは、出来てしまった癌を切り取って治ったことにしてしまうのと同じではないのか。
そのことによって、息は吸いやすくなるかもしれないけれども、別の問題を引き起こす可能性はないのか。
外から手を加える以外に、改善の方法はないのか。
また、それはどうしても何らか処置しなければならないような疾患なのか。
さまざまな疑問が沸いてきます。

皆さんはどのようなご意見をお持ちでしょうか。
もし手術を受けたという方がいらしたら、否定的な書き方をしてしまって申し訳ありません。

よろしくお願いします。



(答え)
舌癒着症に関するご質問にお答えします。

私の個人的な直観と経験に基づく私見として読んでいただければ幸いです。


専門家の主張によると、舌癒着症は程度の差はあれ人類の大部分に見られる優性遺伝による先天的状態であるとのことです。

軽度であれば成長と共に自然治癒もしくは軽快したり、生活に支障をきたさない範囲であれば健康問題として注目されることはありませんが、約27%いると言われている重度の舌癒着を持つ乳児の場合は哺乳障害、呼吸障害、いびつな頭、夜泣き、病的で不快な泣き声、抱き癖、情緒不安定、成長が遅い、手足が冷たい、ひどい乳児湿疹etc...などの問題が起こりやすく、昔だったら健やかに成長できずに何らかの病にかかって亡くなるケースも多かったのではないかと想像されます。

自然界の適者生存の法則に照らし合わせてみると、重い舌癒着症は生き残ることが難しい条件のひとつと言えるかもしれません。

私が理解するところでは舌癒着症はあくまでも何らかの不調和の結果であり、不健康の原因ではありませんが、遺伝的に重度の舌癒着症を抱えている方々がこの世界で生きてゆくために、外科手術は現時点で必要かつ有効な治療法の一つと見なすことができます。

舌癒着症の手術はある種の対症療法だと考えられますが、私が知る限り手術を受けたほとんどの赤ちゃんたちには個人差はありますが術後に何らかの改善が見られる場合が多く、特に大きな問題と呼べるような後遺症や副作用が現れることは今のところないようです。
中にはホメオパシーやバイオケミカル療法などを施しても治癒しなかった根深い愁訴が舌癒着の手術を受けたことで著しく改善したケースもいくつかありました。

「人が健康に生きていくために(外傷の治療以外で)体にメスを入れなければならないことがある」という考え方には正直なところほとんど賛成できませんし、生まれて間もない乳児に局部麻酔(生後約3ヶ月を過ぎると全身麻酔)をして脳に近い口内の正中(人体における重要な経絡線)を切開するというのは、赤ちゃんが感じる恐怖とショック、そこから生じるかもしれないトラウマや術後の痛みと心理的ストレスや投与される抗生物質などの薬物がその子に後々及ぼす悪影響を考えると、たとえ重度の舌癒着症であっても自分の子供にはさせないだろうと思います。

手術によって起こる健康障害については現時点でよくわかっていないだけで、「無い」と断言することはできませんし、歯列矯正やテンプレートによる咬合治療が対症療法的な効果をもたらす一方で、心身の健康を損なっている症例をたくさん見てきた経緯から、頭部あるいは顔面に対して物理的な変化を与えることは大きなリスクを伴うことを実感しています。

しかし、日々臨床の現場で様々な重病難病奇病の方々を診ていると、本来の自然界では生きてはいけないような生命力の弱い、あるいは大きくバランスを崩した人々が生きていくためには何らかの「方便」が必要なのだと考えざるをえない場合が多々あります。

しかも私たち人類は自然を破壊して築き上げた文明生活の中で便利さや安楽さを追求してきたことにより著しく弱体化し、自然界の中で生き抜く力が低下してしまったために、ますます自然から遠ざかって不自然な生活をするという悪循環の中にいます。

現在地球上に存在する人類の中でも、私たち日本人のように先進国で文明的生活を何代にも渡って続けている人間の場合、本来備わっているはずの先天的な生命のダイナミズムは著しく低下しているのではないでしょうか。

宿命論的に聞こえるかもしれませんが、先天的な生命力(先天の原気)というものは通常後天的な努力ではあまり変えようがないものですので、何代もかけて劣化させた生命の質を一代で回復させることはできません。

ですから先天的に弱い生命の質に生まれついてしまった場合は、強い人に比べて健康を維持増進するためにたくさんの努力を長期間継続しなければならないし、場合によっては生き残るために舌癒着を手術しなければならない人がいてもおかしくないのではないでしょうか。

舌癒着症は昔から存在し、重度の場合はうまく成長できずに亡くなった方も多かったのではないかと考えられますが、現代では本来なら生き抜くことができないはずの人々を高度(=不自然)な医療技術によって不健康な状態で無理やり生かしてしまうため、度重なる手術や透析、薬物漬けなどによって生き長らえている人間がたくさんいるわけです。

そのような医療技術の中でも比較的まともな方便のひとつが舌癒着症に対する外科手術ではないかと思います。

しかしいずれ舌癒着症の原因が突き止められ、手術や遺伝子治療などの不自然な方法ではない根本的で自然な治療手段が発見されることを願わずにはいられません。


ちなみに自然療法的に舌癒着症に対して何ができるかと言えば、先ず子供を作る前の男女の健康作りが必須です。

男性も女性も食生活・精神生活・霊的生活を正し、心身をデトックスして体質と気質と霊性を活性化することで健全な精子と卵子を作れる体と、それにふさわしい魂が宿るスピリチュアリティを獲得しましょう。

そうすることで手術なしでは生き残れないような弱い形質の子供が生まれにくくなるでしょう。

また、妊娠中も心身の健康を維持増進することで元気な赤ちゃんの誕生をより確実なものにすることができます。

舌癒着症の病理をバイオケミカル療法的に検証すれば、明らかにCalc-fluor・Kali-phos・Silicaの欠乏状態ですので、両親の何れかもしくは両方に舌癒着の傾向や既往歴がある場合は妊娠1年前から父母になる男女が、そうでない場合は女性が妊娠初期から出産後卒乳するくらいまでの間、上記3種類のバイタルティッシュソルトを3ヶ月ごとに4週間のインターバルを置きながら、断続的に摂取することで舌癒着症の発症を減らし、発症するとしても症状の程度を軽減し、出生後の服用によって症状を改善することができると考えられます。

ホメオパシーではAlumina.Arg-met.Belladonna.Bryonia.Causticum.Hydrogenium.Kali-phos.Laurocerasus.Nitric-acid.Nux-moschata.Sanicula-aqua.Spongia.Sulphur.bacills Sycoccus(Paterson)などが舌癒着症に対して治療実績があります。

これらはクライアントの気質と体質に基づいて処方された時に舌癒着症にも大きな改善をもたらすことでしょう。


成長してから問題が発覚した場合でも、バイタルティッシュソルトやホメオパシーによる治療効果は期待できますし、食養生を始め上部頸椎カイロプラクティックなどの内的治癒力を活性化する治療法と全身のヨガや舌のストレッチ、正しい言霊の発声法などを併用することで、ある程度時間はかかりますが体にメスを入れずに自分自身の主体的な努力によって完治もしくはかなり改善することが可能になります。

自然療法によって獲得される健康は外科手術によって得られる他力本願な健康と違ってより本質的です。

実践した人だけにそれは理解できるでしょう。


下山田吉成

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