ひもろぎ庵: 2011年9月アーカイブ

Nat-mur(Nm=塩化ナトリウム)は最も重要な生命組織塩(バイタルティッシュソルト)の1つです。

物質としてのナトリウムは身体の成長に不可欠なミネラルで、体液の量を調節し細胞外の機能を高め、電解質のバランスを整え、腸から糖やアミノ酸を吸収する時に働きます。

神経伝達や筋肉収縮に関与し、カリウムと共に細胞の物質交代を助けますが、ナトリウムが正常に機能するためにはマグネシウムが十分に存在する必要があります。

ナトリウムが過剰になると高血圧やむくみを引き起こし、脳卒中や動脈硬化や腎臓病などの原因になります。

マックス・ゲルソンが提唱した「ゲルソン療法」というガンに対する自然療法では、ガン患者の体にはナトリウム・グループのミネラルが異常に増加し、カリウム・グループのミネラルが減少しているため、患者に塩抜きの食生活を指導し、青汁をたくさん飲ませて大量のカリウムを補給することで多くのガン患者を救ったのです。

全身の組織の約60%はカリウム群の、約30%はナトリウム群の支配下にあるので、ナトリウムとカリウムのバランスをとることが大切です。

ナトリウムが欠乏すると脱力感、痺れ、四肢麻痺などの代謝障害や神経や筋肉の機能障害が表れ、過度の発汗・嘔吐・下痢・低血圧症・脱水症状・アシドーシス(体液の酸化)を引き起こします。


Nat-mur(塩化ナトリウム)は体内ではナトリウムイオンと塩素イオンの状態で存在しており、細胞内の圧力(=浸透圧)を適切に保ち、水分代謝や血圧をコントロールしています。
また栄養素の吸収や体液の酸塩基平衡を保ち、Kali-murと関連して赤血球数を増加させ、ムチン(唾液などに含まれる粘液タンパク質)の形成をサポートし、それによってあらゆる粘膜の構成に関わっています。

塩化ナトリウムは細胞が新しく作られるために必須の成分で、体内の解毒を行う重要な物質でもあります。

欠乏すると、新陳代謝の衰え、食欲不振、栄養失調、やつれ、脱力感、貧血、むくみ、心臓機能低下、甲状腺機能低下、肝機能低下、高血圧、水様性の鼻水、ふけ、口唇ヘルペス、慢性的な喉の渇きと痛み、手足の冷え、椎間板や軟骨の問題、無気力、神経衰弱、塩辛いものへの渇望etc......などが引き起こされます。

なお、希釈・撹拌によって活性化されたバイタルティッシュソルト(生命組織塩)のNat-murは塩分の取り過ぎに対しても、過剰な塩化ナトリウムを高分子選別することで細胞のミネラルバランスを調整する働きがあります。

塩分を多く摂取する食養法を長く続けると、体内のミネラルバランスが崩れて特有の病的状態に陥ります。

真の放射能対策は、栄養全般および精神衛生も含めた総合的な調和と平衡の回復による健康の維持増進にかかっていますので、特定の物質や方法論に偏らない広い大きな視点が必要とされることは言うまでもありません。

生命組織塩のNat-mur(塩化ナトリウム)は6xと12xをおすすめしています。

下山田吉成

Zincum-mur(塩化亜鉛)はバイタルティッシュソルトの補足成分のひとつです。

 

構成成分の亜鉛(Zn)は必須ミネラルのひとつで、毛髪・皮膚・眼球・前立腺・筋肉・肝臓・腎臓などに高い濃度で存在します。

特に精液の亜鉛濃度が高いことはよく知られています。

 

亜鉛は体内における重要な2種類のタンパク質にとって重要な働きをしており、ひとつは酵素の必須成分で、もうひとつはDNA構成成分としての転写因子です。

 

適量を摂取すればリンパ球やT細胞(胸腺)の機能を高めることによって免疫系が強化され、放射線暴露や環境ホルモンなどの有害化学物質から体を守る重要な働きをしていることがわかっています。

また放射能や環境ホルモンなどの有害化学物質の作用により傷つけられたDNAを修復する酵素の活性には亜鉛と葉酸が大切な役割を果たしています。

 

 

亜鉛には発育促進、各種ホルモンや酵素の構成、性機能の発育補助、核酸やタンパク質の構成、免疫細胞の活性化、細胞レベルでの新陳代謝の維持、皮膚の傷の修復や潰瘍の治癒促進(コラーゲンの合成)、味蕾の機能保持、抗酸化作用、抗繊維化作用、活性酸素を抑制する酵素の活性化......などのさまざまな働きがあります。

 

Zincum-mur(塩化亜鉛)は酵素を活性化し、代謝と免疫系を活発にする生命組織塩です。Silicaと共に抜け毛やもろい爪に対するサポートとして、頭痛と鼻根の圧迫感、むくみを伴う貧血、止まらないしゃっくり、代謝障害、月経障害、生理痛、神経症、神経衰弱、不眠症、記憶力減退、うつ病、音に対する過敏、足の裏の熱さ、皮膚のかゆみ、嗅覚や味覚の鈍麻、化膿防止、チック、赤痢、チフス、便秘などに効果があります。

 

ひもろぎ庵ではZincum-mur12xをおすすめしています。

 

 

 

下山田吉成

 

モンモリオナイトには内服によって病原菌の増殖を防ぐ抗菌作用、あるいは消化器系の悪玉菌や病原性ウィルス・病原体が発生させる毒素を吸収し排除する作用があります。

 

第二次世界大戦時、フランス兵はクレイを食べて赤痢を治療しました。

 

1910年に勃発したバルカン戦争においては、他の薬も含めたクレイの服用によって兵士のコレラによる死亡率は60%からなんと3%にまで減少したのです。

 

クレイはまた潰瘍性の大腸炎を含む様々な種類の腸炎に対する吸着剤としても利用されています。

 

クレイは下痢の症状を引き起こす毒素を吸収してくれるので、急性の下痢や細菌性の赤痢を抑えるために推奨されています。

 

さらにクレイはガス、毒素、バクテリアなどを吸収するために消化器官内の異常発酵の治療にも利用されています。

水分と混ざれば大量のバクテリアを流し、コレラ、チフス、赤痢などの毒素を吸収するのです。

また、腐敗性のタンパク質分解バクテリアも吸収しているようです。

クレイは腸インフルエンザなどのウィルスをも吸収するということが調査によって示されています。この効果は腸インフルエンザにおいて最も顕著で、平均2.2日で下痢が治まっています。

ノロ・ウィルスやロタ・ウィルスなどによって引き起こされる嘔吐下痢症にも有効です。

クレイには抗ウィルス作用があるのです。

 

感染時はクレイを頻繁に摂取すると良いでしょう。迅速で継続的な飲用を続けると治りが早くなりますので、テーブル・スプーン2杯分のクレイ・パウダーを水に浸けたものを1日に3回に分けて飲んで下さい。

症状が治まったら1日にテーブル・スプーン1杯の服用を維持しましょう。

 

幼児に対しては大人の半量のクレイを与えて下さい。

果汁を混ぜて与えると抵抗なく飲めるでしょう。

 

あらゆる原因による急性の下痢に対するクレイの治療有効性に関する研究がMedical Annals of the District of ColumbiaDamrau 1961)で発表されました。原因としてはウィルス感染、食物アレルギー、痙攣性大腸炎、粘性大腸炎、食中毒などでした。35の症例で確認された症状の中には下痢のほかに腹部の痙攣、食欲不振、不快感 頭痛、吐き気などがありました。

調査対象は25人の女性と10人の男性でした。

偏りを避けるために、できるだけ均一の集団を確保できるよう努力がなされました。

基準となる治療として、蒸留水にテーブル・スプーン2杯分のクレイ(スメクタイト粘土=モンモリオナイトが属する粘土のグループの名称)を加えたものが1日3回投与されました。

 

食物アレルギーのケースでは投与量は1日にテーブル・スプーン6杯を超えました。

 

クレイによって平均して3.8日で35の症例のうち34の症例(97%)で急性の下痢が治まり、1日の腸の運動も平均値である1.8回に減りました。

 

ウィルス感染が原因の18症例では治療の効果はかなり素早く表れました。食物アレルギーが原因の8症例では、下痢は比較的長く続き、同じ食べ物をもう一度食べると症状が元に戻る患者がたくさんいました。

 

腹部の痙攣、食欲不振、不快感、頭痛、吐き気などの症状も緩和されました。

 

全ての症例において、クレイ服用によるいかなる副作用も発生しませんでした。

 

隔週木曜日に赤坂溜池クリニックで行っているセミナーのご紹介です。

ホリスティック医学の現場で講師がつちかった経験をもとに、ホメオパシー、フラワーエッセンス、バイオケミカル、経絡治療、食養、手当て法などを駆使し、生命力を喚起する統合治療についてレクチャーいたします。

第11回 9月1日(木) 婦人科系疾患(無月経、生理不順、不妊)
第12回 9月15日(木) 伝染病(かぜ、インフルエンザ etc)

詳しくは↓

春期ホリスティック医学セミナー  http://www.himorogian.jp/seminar/holistic2011haru.htm

秋期ホリスティック医学セミナー http://www.himorogian.jp/seminar/holistic2011aki.htm