新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)について

新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)について@

メキシコから始まった豚インフルエンザの感染は海を越えて各国に拡大しているとのことです。

国内でも既に170人以上の感染者が出ているようです。
ワクチンの作成には数ヶ月かかりそうです。
これまでに入手できた豚インフルエンザの症状からホメオパシー的対処については

以前ご紹介した4つのレメディ

@Bothrops lanceolatus (Both)ボトゥロプス・ランケオラトゥス(蛇)
ACamphora(Camph)カンフォラ・樟脳
BLaurocerasus(Laur)セイヨウバクチノキ
CHydrocyanic acid(Hydr-ac)青酸(シアン化水素酸)

DOscillococcinum (Oscill)
EGelsemium(Gels)
FArsenicum
GVeratrum
HBaptisia
IAconit
JBelladonna
KStramonium

を加えた12種類が特に必要とされると考えています。

@〜Cについては、豚インフルエンザと鳥インフルエンザの病理学的症状の類似性からニック チャーチル氏のサイトでも「現時点における最高の見積もりである」としています。

また、豚インフルエンザには肺炎を中心として嘔吐と下痢という胃腸の症状を伴うという情報がありますのでArsenicumやVeratrumが必要とされる可能性があります。

また、急性の高熱、咽頭炎、筋肉痛、虚脱感などの諸症状に

DOscillococcinum (Oscill)
EGelsemium(Gels)
HBaptisia
IAconit
JBelladonna
KStramonium

などを状態に応じて選択する必要がありそうです。

具体的な使用法につきましては、ひもろぎ庵から刊行されている「新型インフルエンザ養生マニュアル」をご覧下さい。

上記の「単品レメディ」、「新型インフルエンザ対策キット」については販売店にお問い合わせ下さい。

下山田吉成

※ひもろぎ庵だより(2010年5月19日)の記事を加筆訂正したものです。(2011年2月2日)

新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)についてA

「新型インフルエンザ日本上陸!」
メキシコに端を発した新型インフルエンザ(H1N1型)の流行は瞬く間に世界中に広がり、日本でも関西を中心に5月23日現在で321人の患者が正式に確認されているそうです。
「パンデミック(大流行)?」
日本での感染の広がりは他国に比べてかなり早い様相を呈していますが、これは簡易検査キットの使用率が世界一であるなど検査体制が整っているためで、逆に言えば他国ではたくさんの患者を見逃しているのが現状だと考えられます。
ただ、この簡易検査キットも新型インフルエンザには陽性反応が出にくい、発症初期には反応が出にくい、などの限界が明らかになりつつあります。
「弱毒性ウイルス」
新型インフルエンザによる他国での死亡率は約0.4%だそうですが日本国内では今までのところ死者の報告はありません。
また、海外で感染者の多くに見られた下痢や嘔吐の症状は日本では無く、タミフルなしで治った治癒例が相次ぐなど大半の患者は軽症で、WHOや政府の危惧とは裏腹に今回のウイルスは今のところ通常の季節性インフルエンザに毛が生えた程度の弱毒性であることがわかります。
「誰がために」
この集団的恐怖を扇動して何らかの目的を達成しつつあるのが誰であるかはともかくとして、これからも続く病原性ウイルスとの関わり方について考えてみたいと思います。
「スペインかぜと新型インフルエンザは同類」
1918年から1920年にかけて世界的に大流行したスペインかぜは現在流行している新型インフルエンザと同じN1H1亜型の株で、「アメリカ」から発生して瞬く間に世界中に広まりました。
日本でも大流行し、前流行(1918年9月末〜1919年3月)は感染率が高く死亡率が低かった(約1%)のが、後流行(1919年11月〜1920年3月)では感染率は低く死亡率が高かった(約4%)ことが報告されています。
「スペインかぜの国内死亡者は45万人以上」
合併症も含めると国内では45万人以上の死亡者を出し、全世界では感染者6億人、死者5000万人〜1億人と言われています。
このため当時ヨーロッパを中心に開催されていた第一次世界大戦が、参戦国の国内におけるスペインかぜの大流行によって戦争どころではなくなり早期の終戦を促しました。
「弱毒性から強毒性へ」
スペインかぜは当初は弱毒性ウイルスでしたが間もなく強毒性に変化し多数の死者を出しました。
しかし、人から人への感染が反復されるのに従って毒性が弱くなり死亡率も低下しました。
弱毒性になったスペインかぜはその後も流行を繰り返していましたが、1957年に流行の中心がアジア風邪(インフルエンザ)にとってかわったことから、1957年以前に生まれた人の多くにはスペインかぜ(H1N1亜型)に対する免疫があるため今回流行している新型インフルエンザ(H1N1亜型)に対する一定の免疫があるとの見解をアメリカ疾病対策センターが発表しています。
「サイトカインストーム」
スペインかぜは新型インフルエンザと同様に若者(20〜40歳代)の感染率や死亡率が高かったことが記録に残っています。
これは免疫系がインフルエンザウイルスに対して防御反応として産生するサイトカインという活性液性因子(タンパク質の一種)が過剰に分泌されて気道閉塞や肺炎、多臓器不全、脳症などを引き起こすサイトカインストームが原因だったことがわかっています。
サイトカインストームは免疫系の過剰反応であるため、幼児や高齢者よりも免疫力が強い若年層に起きやすく死亡率も高いと言われています。 ただし、免疫力が強いからサイトカインストームが起きるのかと言えば必ずしもそうではありません。
免疫力には強さとバランスという2つの側面があり、サイトカインストームを引き起こすのは免疫力が強くかつバランスが崩れている時です。つまりサイトカインストームが起こる背景には免疫系のアンバランス状態があるのです。
「ウイルスは変異する」
ウイルスにはDNA型とRNA型がありますが、インフルエンザウイルスは変異速度の早いRNA型ですので短期間で変異を起こします。
「ワクチンは間に合わない」
ウイルスが発見されてから培養が開始されワクチン製造が行われますが、一般に供給できるようになるまでには少なくとも10週間ほどはかかりますので流行初期の感染者はワクチンの恩恵を受けられません。
「予防接種は効かない」
ワクチンはウイルスの型に厳密に対応しているため、現在流行中のウイルスに対するワクチンは将来の変異した新型インフルエンザには無効です。
「自前の免疫の蓄積が重要」
感染によって作られる抗体は多少のウイルス変異には適応することが知られており、ウイルスが弱毒性のうちに感染して自前の抗体を作っておくことで現在流行中のH1N1亜型ウイルスが変異した未来のインフルエンザウイルスに対しても一定の免疫を持つと考えられています。
自然界は常に変化しており、私たち人間もその変化に適応してゆくことが生命を健全に維持するために必要なことなのです。
「人工免疫の限界と弊害」
仮に予防接種がある特定の感染症の予防に効果的だとしても、感染によらない人工的な免疫は感染によって獲得された免疫とは似て非なるもので、むしろ免疫系のバランスを崩してサイトカインストームを引き起こしやすくしたり、総体的な免疫力そのものを低下させて結果的にさまざまな感染症にかかりやすくかつ重症化しやすい前提を作り出すのではないかと私は考えています。
「伝染病の意味」
その時々に流行る伝染病は多くの人々の心身の不調和を改善し、生命の質を高める重要な役割を担っていますので、感染すべきは感染して長い人生を健康に生き抜くために必要な免疫を積み重ねてゆくことが大切です。
「お決まりの反論」
そんなことを普通の人に話すと驚かれる方が多いのも事実で、必ず出てくる反論のひとつは'多くの伝染病や感染症が予防接種と抗生物質によって克服されてきたのだからお前の言っていることはおかしい'という意見です。
確かに一般的にはそう言われており、ほとんどの人がそう信じているのは事実だと思います。
しかし、反論は事実にもとづかない誤りです。
「予防接種は有効か?」
統計を見れば明らかなことですが、今日子供たちに行われている予防接種のほとんどが対象になる病気の感染率や死亡率がかなり低下した時点で一般に普及したという事実はほとんど知られていません。
先進国で今日行われている主な予防接種が普及した頃にはほとんどの感染症の罹患率や死亡率は現在の数値に近いものになっていたのです。
非科学的でずさんな調査による統計や邪な意図によって捏造されたデータを除けば、予防接種の有効性を立証する証拠は私の知る限りほとんどありません。
「抗生物質の弊害」
細菌性の感染症の特効薬として世界中で使われている抗生物質は、多くの国で西洋医学を正統医学として認知せしめた最大の要因と言っても過言ではないと思います。
それほど昔はたくさんの人が細菌性の感染症が原因で亡くなっていたのです。
しかし後述するように伝染病や感染症を激減せしめた最大の要因は予防接種でも抗生物質でもなかったのです。
では、抗生物質は私たちに何をしたのでしょうか。
抗生物質は標的とする病原菌以外の数多くの善玉菌を殺戮してしまいます。
これらの善玉菌には私たちの体内において免疫に対する必要不可欠な働きが認められますが、善玉菌を殺菌してしまうことで私たちの免疫力が著しく低下することは当然のことです。
また悪玉菌は抗生物質に対して比較的容易に耐性を獲得しますが、善玉菌はなかなか耐性化しません。
従って抗生物質を使えば使うほど善玉菌は少なくなり、免疫力は低下し、病原菌は耐性化して従来の抗生物質が効かなくなるため更に強力な抗生物質を開発する必要に迫られます。強力な抗生物質を使うほど善玉菌は減少しますので免疫力は更に低下し、病原菌は耐性化してもっと強力になってゆきます。
この悪循環が過去百年間に世界中の個人の中で繰り返し起こってきたことです。
「慣習的愚行」
医学的に言って抗生物質は細菌性の感染症には有効ですが、ウイルス性の感染症には無効です。
ところが日本の医師たちは風邪やインフルエンザなどのウイルス性の感染症にも細菌による二次的感染を防ぐとの名目で抗生物質を頻繁に投与してきました。
これは医学的に全くの誤りであるばかりか患者の免疫力を低下させ、多くの耐性菌を出現させた愚行として今世紀になって厚生労働省から正式に禁止の通達が出されています。
「何が伝染病を衰退させたか」
近代から現代にかけて、いわゆる先進国ではさまざまなレベルにおける技術革新と近代化が行われました。その結果、多くの人々の衛生環境と栄養状態が著しく改善されたことは周知の事実です。
このことが伝染病の罹病率と死亡率を激減させた最大の要因なのです。
「死んだらどうする!」
'伝染病の肯定'と'予防接種の否定'という私の意見に対してよくある反論の2つ目は'そんなこと言って予防もせずにかかって死んだらどうする'というものです。
これも一般的でごもっともな意見です。誰だって死にたくはありません。生きていたいです。
私はある時に気がつきました。
'死にたくない'とか'死ぬのが恐い'と言う人ほど自分も他人も愛しておらず、あるのは執着だけで、病的生活を継続しており、自分のやりたいことをせずに、自己実現を未来に留保して今を生きていないのです。
呼吸や拍動はしていても本当の意味で生きていない(魂の目的を生きていない)人が死を恐れるのです。
本当に生きている人は死を恐れないものです。
'生きている人'は生きることで忙しくて死について考えたりする暇がありません。
ですから'死んだらどうする'という問いに対して私は'大丈夫です、あなたは死にません。死ぬのは生きている人だけです'と答えます。
「病気よりもはるかに有害なもの」
どんな悪性の伝染病が蔓延するとしても、病気に対して過剰な恐怖を持ったり、その恐怖に支配されてしまうことの方が病そのものよりはるかに有害です。
恐怖に支配された人は何が本当に大切なのかがわからなくなってしまい、往々にして自分を損なう間違った判断に従う傾向があります。
インフルエンザを恐れる人が、効果があるとは考えられないばかりか免疫のバランスを歪め副作用のリスクもある予防接種を当然のように行い、挙げ句の果てに効果どころか強力な副作用の恐れがあるタミフルを進んで服用する姿は現代の寓話としか表現のしようがありません。
この循環に参入した人々の多くは何もしなかった人よりもはるかにインフルエンザに罹る、あるいは重症化する可能性を高めていることは疑う余地がありません。
私たちはもうそろそろ不幸や病の原因を自分以外の何かになすりつけて、それを恐れたり敵視したりするあり方そのものが病気の正体であり自らを苦しみに導くのだということに気づかなくてはならないのではないでしょうか。
病原体が強毒化してきた理由も私たち人間のあり方と非常に密接な関係を持っています。
彼らは百数十年もの間医学的に病原体として憎悪と嫌悪の対象になり、さまざまな方法で攻撃され続けてきたのです。
私たちは病気を心身のバランスを回復させてくれる有り難い自然の摂理の一部として扱う必要があります。
ある病原体に感染するのはそれに罹ることによってしか解消しえない病的状態に陥っているからなのです。
病の本当の原因が自らの内にあることに気づけば、ガンも病原体もアレルゲンもこれまでとは全く違った意味をもって私たちに語りかけてくるでしょう。
そして自然と生命の摂理に対する正しい理解に基づいて用いられる時、自然療法は本来の素晴らしい効果を私たちにもたらしてくれるに違いありません。
私も皆さんも、私たちの中にある恐怖や怒りや憎しみも、新型インフルエンザウイルスも、ガン細胞も、草々や虫たちも......あらゆるいのちが安らかであることを祈ります。

下山田吉成

※ひもろぎ庵だより(2010年5月25日)の記事を加筆訂正したものです。(2011年2月2日)